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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第009号 ’99−08−20★
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体質改善
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●「女性の昇進
一気に500人」という新聞の見出し。 いよいよ来ましたぞ、その時代が。
自動車メーカーM社。やはりアメリカから派遣されて来たトップは違いますな。
一般職・総合職の区別なく、実績に応じて昇進させ、実力主義の徹底と女性の
能力の活用を図るという。 何ともアタリマエな趣旨、、なんですけれども。
それが一面記事になる。この国では、ね。ナガーイ不況の間、何か良い考えは
無いかと、M社に限らず、皆さん、ずいぶん探し求めたのでしょうに。今まで
どこにも無かったとは思えませんぜ、、、その程度のアイデアは。
勿論「あった」はずです。ただ、言い出されなかった、あるいは取り上げられ
なかっただけ、とか。 それが漸く外人さんのお力で実現した。喜ぶべきか、
残念がるべきか? これも一種の「外圧」の効果でしょうから。
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●管理職研修で
よく出た実務テーマの一つは「体質改善」。まあ、スローガンみたいなもので。
そんなあいまいな言い方では多分、良いことは何も起こらないでしょうけれど。
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そこで、いくらか刺激する意味で申し上げたものです。「この教室には何故か
男性しかいらっしゃいませんが、御社には、女性を登用なさらない方針がある
のでしょうか?」 「ある」と答えた人は勿論ありませんでしたけど、ね。
何も「体質改善」を「性別」で考える必要はありませんが、手がかりが無くて
困っていらっしゃるなら、の提案です。もし研修受講者の半分が女性、という
眺めにでもなれば「大」きな「変」化、つまり「大変」な違いでしょうから。
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見渡せばいずこも「男社会」。そんなに男ばかりでなくてはいけないのかね?
「男でなくては、、」という仕事もあるが、多くの場合、そうこだわる必要
も、本当はないのではあるまいか。 前例がない、だけのマンネリズム?
ただの思いつきを口にしてみただけですから、誰に取り上げられなかろうと私
は気しませんでしたが、どの会社かは一面記事になるチャンスを逃したわけ。
悔しがっても、今からじゃ単なる追従者。 一面記事にはなりませんよ。
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●シンクロニシティ
と言っては大げさかも知れませんが、その同じ新聞に関連・類似の記事が発見
されることは、不思議なくらい多いものです。この日も、それがありました。
M社の記事が脳裏を去らぬまま、ページを繰って読み進むうちに<「子育てで
退職」に反響>という見出しが目に入りました。普段あまり深くは心に留める
ことのない、働く女性の諸問題を扱う連載の囲み記事でした。
*
別にM社でなくとも、女性を起用すれば当然起こりうることなのだから、初め
から予定しておかなくてはなるまい。メリットあれば、デメリットも、、、と
私は思うのですが、、、。 しかし同性の批判がキビシイのには恐れ入った。
「親に預けるのでなく、自分で子育てしよう」で退職した29歳女性の投稿が
発端であったようですが、それをあいにく私は見逃していました。今回はそれ
に対する異見2通の掲載。 私の解釈に不十分あろうことは、やや先刻承知。
既に29歳さんは、同僚に「あなたのような人がいるから、いつまでたっても
女性は社会から認められない」のだとヤッツケられ、自分の考えが誤りだった
のかと悩み、投稿ではそれを訴えたようでした。
* *
これに対する異見1号さんは34歳自営業。「その年齢だと大卒なら入社六、
七年。企業側はもとが取れ始めて、これからだという年代でしょう」と。まる
で会社の立場を代弁するかのような。 そうか、<自営業>さんだもんね。
会社が施した教育や授けた職責などを29歳さんは考えなかったのかと叱り、
退職は会社に損失を与え、後輩に迷惑をかけた、とバッサリ。20年前なら私
も類似の見解を述べたかも知れない。 が、それは「使う側」の論理ですな。
29歳さんだって、「辞めて迷惑をかける」ことを目的に入社したのではない
でしょう。が、<育児>は「雇われて使ってもらう」人生を選んだ時には未だ
無かった要素。我が子を胸に抱いた時、別の選択が生じても不思議ではない。
異見1号さんは「仕事と子供は二者択一するものでなく・・・だから皆、妊娠
中から必死に保育園を探し、住居、職場環境を整える」「保育園へ預けること
への不安(偏見)があったとしたら大問題・・私自身保育園で育ち・・問題は
ない・・預けてもかわいそうでもなんでもない・・要は親の愛情と根性・・」
と体験的に断言される。が、それ、誰にも当てはめるべきものでしょうか、ね。
「自分の子は自分が育てる」という選択が責められなくてはならない、とは、
化石世代のセンスでは、思えません。 励ましてあげても良いのではないか。
* * *
異見2号さんは40歳元教員。生まれたお子さんが重いアトピーだったので、
教員を辞めて病院通いと食事の管理に専念せざるを得なかった。「退職も仕方
なかったが、当時の仲間が教員を続けているのを聞くと、仕事を断念した無念さ
が一年ごとに・・」だから、29歳さんも「やがて退職を悔いることになるの
では・・」という懸念の表明です。 そうなることもあるでしょう。が、
よく言われる通り、「教員」は一種の閉鎖社会、つまり別世界。ことのほか連帯
感が強い。そこから、事情はともかく、「脱落した」という想いが異見2号さん
には、ショックだったのではないか。 進めば疎外感、ひどければ劣等感にも。
それが「このごろは同窓会にも口実をつけて欠席」に結びつくとも思われます。
羽振りの良いのが出てくる、路線から外れると出てこなくなる、、、同窓会には
そんな傾向がありますからね。私は異見2号さんには、お子さんのアトピー克服
にも成功されたことでもあり、うんと胸を張って頂いて良いと思うのですが、、。
異見2号さんの想う幸せ、あるいは成功、は「一本道」型なんでしょうな。
* * * *
二人の異見先輩が、どちらも真面目な努力家であることは重々認めます。 が、
そのタイプの人にはよくある話で、ご自分の経験をそのままほかにも通用させ
たがるところが見えますね。 でも、<ほかの選択>への寛容さは、見えない。
異見さんだって、もし子育てに専念して良いという条件を授けられたら、そう
立派なことをのたまわったかどうか。 怪しいものだ、と私は思います。
「子育て」を「かけがえの無い仕事」、つまり「すべきこと」として最優先に
考える人がいても不思議ではない。いや、いてくれなければ、、、。
* * * * *
近頃、「育児」必ずしも母親の仕事にあらず、の風潮もあるらしいが、「出産」
ばかりは男に絶対不可能な役割であります。ところが、いろいろな汚染のせい
で、結婚すれば子供が出来る、生まれれば育つ、とは安心していられない時代。
29歳さんがどこに重点を置いて決意なさったのか、それはご本人にしか分から
ないことです。が、それが何であれ、「子に対する母親」として、よくよく考え
てのことでしょうから、まわりが何を言って始まらない。敢えて言うとすれば、
その選択に自信をお持ちなさい。そして今後、パーソナルに処理すべきことは、
公開的に「相談」しない方が良いでしょう、、、とか。
激しい批判を同僚に浴びせられて、平常心を失ったのが悔やまれます。しかし
その同僚、29歳さんの幸せを妬んでいたのかも知れない。そんな時、多くは
大義名分をかざして責めるものです。心の自己防衛機制の一つ、「反動形成」。
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●コラム担当の先生
の締めくくりは、「もとの仕事にこだわらず、再起を図って下さい」「仕事で
蓄えた力と根性の生かし方はいろいろあると思います。」 ごもっとも。相談
されたら、やはり「それだけじゃないんだから、、」と申し上げたでしょう。
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私がサーモスタット屋だった時、<世界最高水準>の品質を支えてくれたのは、
「子育てを終わったから、、」で応募してくれた、中年の元専業主婦たちです。
当初は単純作業から入って頂くが、次第に管理的能力を発揮し始める人も出る。
お互いに「能力開発」を実感したものです。しかし、その基本は「人柄」です。
自分で子育てを、と望んだ29歳さんの人柄は<まとも>です。多くの企業も、
本当は<まとも>な人を求めているはず。なら、<仕事>の世界で得られない
経験を積んだ彼女の復帰は、大いに歓迎されるものと信じたいのですが、、、
* *
それにしても、本来なら「女性」がワカルはずの女性が、同性に対してまこと
に厳しいのが印象的。特に異見1号さんは、「女性が働きながら出産・育児を
するのは美徳でも何でもなく、当たり前のこと」と言われるが、私は妻にそこ
まで求めたことは無かった。こちらは、僅か一つ、仕事しか出来ないのだから。
「育児休業制度を整えても、女性はやっぱりダメなんだ」という実績を作って
しまったという意味で罪は重い、と異見1号さんは許す気配が無い。しかし、
どんな制度も一般論。誰かには何かの事情で、適合しないこともあるだろう。
* * *
適合しない人が必ずしも悪いわけではなく、制度が良くないこともあり得る。
私的制度を活用したくない人がいても当然だし、その人がそれでない方法を
選ぶのも自由。企業側も、100%の効果を見込んでいるわけではあるまい。
制度で世の中が住み良くなるものなら、今の日本の混迷も無いはずだし、ね。
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●職場の女性
が強いストレスにさらされることは今更でない。これもシンクロニシティで、
その夜のCBSイブニング・ニュースが、世界30カ国にわたる国際調査の
結果を伝えました。まず、男性と女性ではストレスの種類も程度も異なると
いうこと。何だかアタリマエ。そしてストレス過剰となっているのは、男性
で15%、女性は21%。13歳以下の子供を持つフルタイム就労の女性が
最もひどくて、24%。 私見:日本の数値はその倍以上に違いない。
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女性の社会進出が高度なアメリカでも、、、と、「ワーキング・マザー」誌
の編集長ニコラ・ゴッドフリー女史が映し出され、自身奮闘の日常を語って
いわく、「家事と仕事の両立に四苦八苦しています」と。
インタビューされたほかの女性は、「いつも身だしなみ良く、家事、仕事、
育児、すべてをすることが期待されている」と訴え、番組としての結論は、
「すべてのことを、、」と努力して「ひどい抑鬱症に陥ることになる」と。
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しかし、「その治療は簡単」とも。要するに「何かを諦めれば良い」わけ。
何もかもと頑張るのはかまわないが、それだと病気になることもあります。
どちらを選ぶのもあなたのご自由、、、とね。 まことに明快であります。
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●講師の目から
見た女性管理職も、実際ご苦労なさっているように思えた。中には、あまりにも
暗い印象だもので、つい後まで気になった人もいた。外資系食品会社の課長さん
であったが、営業担当者にフォローしてもらったところ、しばらくして「あの方
は亡くなったそうです」。私は「やっぱり?!」と感じたが、会社は感じたかな?
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自分の身は自分で守るほかない、と言うが、それは働いている場所でも同じこと。
死ぬほど働いて何が得られるか? 働くのを諦めて失うものは何か? 失うもの
が大きくて死んでしまうということは、普通、ない。 経営者ならともかく。
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使う側、使われる側、両方を経験した私が断言します。「その仕事でなきゃ、」
と思い込むのはご自由だが、何をしてもそれなりの収穫はあるのだから、あまり
ムキにならない方が宜しい。ただし常に、能力と意欲と多少の運は必要ですが。
* * *
能力と意欲ある女性が、困難と闘って役職に就く。位が上がれば、困難のレベル
も高まる。が、その真面目さが災いして、「捨てる」、「諦める」ことはなさら
ない。やがてしわ寄せは、心か、体か、あるいは両方に行く。 それ、幸せ?
人生は要するに、幸福の追求。職業は、その目的を達するための手段。ところが
いつの間にか、手段自体が目的となっている、、、即ち「自己目的化」ですな。
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●企業リストラ本来の
目的は、企業体質の改善であろう。それは、うわべの努力で達成されるものでは
ない。少しばかり組織を少々いじったところで、一人一人が前のままでは、ね。
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本気なら、メンバーを入れ替える必要がある。特に上の方を一式。下は上の指示
で動くのだから。オカシクなったとすれば、主導者のせいに決まっていますよ。
上を残すなら、下のいじり方は半端じゃ済まない。そんな勇気、あるのかな?
* *
その昔、大きな手術を受けた知人の話。大量の輸血を必要としたので、彼自身の
血はすべて失われ、他人の血に入れ替えた形になってしまった。その結果、手術
の前後ではまるで人が変わってしまった、と家族も友人たちも驚いたくらいです。
彼はA型。それに合わない血を入れたはずがない。また、人柄を決めるのは多分
脳であろうが、その時は首から上には触れなかった。内臓の一部が滅失したほか
は元のまま。 体の中を駆けめぐるものが変わって生じた人格の変容、としか、、
* * *
だから企業も、、は乱暴だが、中を駆けめぐる人々が変わったら、ずいぶん様子
が変わるだろうと思います。 神様は男女半々にお作りになったのだから、その
比率が健全な構成と言えるだろう、、くらいに考えなくては、結局「これまで」
の延長をいくらも出ることにはならないのではないか、と思います。
■竹島元一■
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